東野圭吾さんの「手紙」これは、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

犯罪被害者や犯罪加害者について、凄く考えさせられる内容です。

加害者が犯罪に至った背景。
加害者家族の生き方。
加害者家族の周囲の人間の心情。
被害者の終わらない苦しみ。

私は普段ニュースで流れている事件が、自分に降りかかるとは思わずに生きて来たので、こんなにも色んな視点で犯罪について考えたのは初めてでした。

「殺人事件」と一言ではくくれない程の背景がそれぞれの事件にはあるのだと思います。
恋愛のもつれだったり、何かを守る為だったり、ただ自分の欲を満たす為だったり。

「手紙」の作中の加害者には、認めてはいけないと分かっていても、「そんな事をする人じゃない」「本当は良い人」「愛情ゆえにそうなってしまった」と思ってしまう自分がいます。
実際の事件でも、加害者に思わず同情してしまうような事件もあるのかもしれません。
でも、どんな理由があろうとも、被害者から奪ったものは帰って来ない。奪われた事実は変わらない。被害者にとっては犯罪に至るまでの理由など何の意味も無く、正当化されるべきではないのです。

正当化されるべきではないと分かってはいても、視点が変わるだけでものすごく感情が揺さぶられる作品です。
最後まで読んだ時、どうにももどかしい涙があふれてしまいました。

読む人によって、作中の誰の視点でどんな涙が流れるか、分かれると思いますが、心に一石を投じる作品である事は間違いないと思います。